高血圧は脳梗塞の危険因子のため食事・薬物療法が重要

脳梗塞は、血圧が高く、動脈硬化が進行し、喫煙習慣のある人ほど発症しやすくなっており、高血圧、動脈硬化、喫煙の三大リスクのほか、脂質異常症、糖尿病 、肥満、運動不足なども危険因子に挙げられます。これらの危険因子は、互いに影響しあうことで症状を悪化させるので、健康診断を定期的に受けて早めの対策を心掛けることが肝要です。

健診の必須項目の一つ

私たちの体には、常時、体重の約8%の量の血液が循環しています。全身に血液を送るポンプの役割を果たしているのが心臓ですが、狭い血管に圧力がかかった血液が流れる時に血管を押し広げようとする圧力のことを「血圧」といいます。

血圧は健康診断や病気の時に測定されますが、測定値には、心臓が収縮して血液を動脈に送り出したときの圧力である「最高血圧」(収縮期血圧)と、心臓が拡張して血液を呼び込んだ時の圧力である「最低血圧」(拡張期血圧)の2つがあり、最高血圧が140mmHg以上で、最低血圧が90mmHg以上の場合に高血圧と診断されます。

健康診断で医師から血圧が高いと指摘された人は、血管に常に高い圧力がかかっており、底に流れる血液が血管壁を傷つけてしまいやすく、血圧コントロールを上手に行わないまま放置していると、血管壁の損傷が進行し、脳梗塞や脳出血などの脳血管障害をはじめ、心臓病、腎臓病といったさまざまな病気を引き起こすきっかけとなります。

すでに高血圧と診断された人は、医師の指示によって降圧剤の服用で血圧を目標値内にコントロールし、食生活では低脂肪・低塩食を心がけ、適度な運動を行っているはずです。境界域の人も高血圧の予備軍といえますので、食塩の摂取量、アルコール、喫煙などの高血圧の危険因子の有無をチェックし、生活習慣の改善に取り組む必要があります。

健康診断や医師の前で血圧を測定すると、緊張して平常時よりも数値が高くなる人、あるいは逆に低い数値が出てしまう人もいます。そのため、家庭用の自動血圧計を備え、毎日決まった時間に測定を行い、血圧の変動を記録するようにしておくと賢明です。

動脈硬化を招く中性脂肪の摂り過ぎに注意

脂質の一種である中性脂肪(トリグリセライド)は、コレステロールと同様に生命活動のエネルギー源として重要な役割を果たしている栄養素です。

ファストフードの摂り過ぎに注意

この中性脂肪は、エネルギーとして即使用できる遊離脂肪酸と呼ばれる脂質が集まってできており、通常は体内に蓄えられています。そして、運動を行ったり、食事からのエネルギー摂取量が不足したときに、遊離脂肪酸に分解され、エネルギーとして使用されます。

中性脂肪には、食べ物に含まれて直接体内に入るものと、炭水化物やタンパク質、アルコールなどを原料として肝臓で作られるものがあります。体内の中性脂肪は、運動などで消費されますが、運動不足や食べすぎなどの生活習慣を続けると、皮下に運ばれて蓄積され、やがて肥満となります。皮下だけでなく血中の中性脂肪も増えると、様々な障害が現れます。

中性脂肪は、コレステロールと同様に、リポタンパクとなって血液中に入り込み、全身に運ばれていきます。従来、中性脂肪と動脈硬化の因果関係は明確ではありませんでしたが、今日では中性脂肪がコレステロールや動脈硬化にかかわりあがるという事実が明らかになっています。

中性脂肪の数値が150mg/dl以上になると、善玉のHDLコレステロールが減少します。また、血液が固まってできる血栓は、フィブリノーゲンや組織プラスミノゲーン活性化阻止因子という物質が原因ですが、中性脂肪の数値が高いと、これらが増えることになります。

中性脂肪が高いと、血中のコレステロールにも、動脈硬化にも影響を与えますが、中性脂肪とコレステロールは一緒に上昇するとは限りません。脂質異常症の患者さんで、中性脂肪とコレステロールが同上に上昇するケースは1/4くらいです。脂質異常症には、食事や遺伝など様々なものに影響を受けており、症状はナニに影響されているかによって異なるのです。

入院患者の医薬品に対する注意点

入院して心臓カテーテル検査などを受けると、その結果から病名や進み具合などの診断がつきます。すると、まず病状にあった薬が処方され、退院になります。

その後は、薬を飲みながら定期的に外来に通う人、再入院してカテーテル治療を受ける人、あるいは手術を受ける人に分かれます。重症の場合は、入院したまま手術などの治療に進むこともありますが、いずれにしてもほとんどの人が薬を飲むことになります。

入院中の薬の管理についてですが、新しい薬の服用が始まることをまず医師が患者に説明し、薬を飲み始めてからは、医師や看護師、薬剤師が薬の効果を観察するなど、服用を管理します。

しかし退院後は、患者と家族がそれを継続していかなければなりません。入院中は薬の内容や量が調整されているので、それほど心配要りませんが、退院してから副作用などが出る場合もあるので、家族も薬について理解しておいたほうが望ましいでしょう。

最近では入院期間が短縮される傾向があり、入院中に薬について正しい知識や理解などが十分でないまま、退院になる場合もあるのではないかと思われます。

薬の袋に記載された指示を見て、指示どおり飲めばいいといえば確かにそうですが、やはり治療の一環ですから、治療を主体的に受けていくために、薬は患者がよく理解して飲みたいものです。退院後の家族の役割は、入院中に引き続いて「患者が薬の管理を確実に安全に出来ているかを見守り支援していくこと」です。

循環器の薬で大切なことは、命を司る心臓に対する薬であるため、一つ一つが重要なものが多く、医師の指示によって開始し、医師が中止と判断して初めて止められるものが多いということです。